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ここはサイト管理者が、動物病院のお仕事とはおおよそ関係のない、様々な話題を提供する超個人的なコーナーです(笑)。

狂犬病注射に対する疑問をいただきました

予防接種の必要性
今日(2020/07/27現在)・・・・・・

「狂犬病予防接種」に関するあれこれの質問が
「一般学術サイドの方」から事務局に連絡があって
事務局からこちらに回ってきたので
「一般学術サイドの方(なんじゃこの言い方w)」へ
メール返信したんだけど・・・・・・

みなさんにも
へぇ、そんな世界なんだ・・・・・・
ってことを知ってもらえたらと
返信内容を
ほぼコピペします

質問内容はザックリ・・・・・・

・狂犬病ワクチンの接種率が低下している理由は?
・なぜ犬にだけ注射をするのか?(哺乳類全てに関係するのに)
・副作用でアナフィラキシーが起きた時はどうする?

みたいな・・・・・・

以下、返信のコピペを・・・・・・

ただし、学術サイドの方ですので

あちらの方の研究とかに関連があるやらどうやらわからんし
返信の情報をここで流していいのかもわからんし
レポート提出前だったら申し訳ないし

しばらくしてから「うp」します・・・・・・

(ちなみに、8月3日に掲載許可いただきました)



>>>>>>

まず、長い文章になること
お詫びいたします


>1:狂犬病ワクチンについて
 ワクチンの接種率が低下している主な原因はなにか・・・

一言で言えば「日本人の油断」

疫学上の理由はよくわからんのですが
全頭数の7割を下回ると完全な集団免疫は持てないとも言われております
現在予防接種を行なっている理由は

「日本国内に持ち込ませないため」

です


日本国内では防疫上重要とされている港湾は
富山と北海道です
これはロシア船の出入りの多さに起因します
ロシアは今でも狂犬病常在国です

厚労省HP内のこちらをご覧下さい
(狂犬病の発生状況)

狂犬病が発生していない国はごく一部です


・・・・・・
昔からロシア船には犬が乗っています
これはロシアにある「犬は航海の守り神」という言い伝えに起因しています

小松検疫所の方と話した時
「まぁ、そうなんだけど、やはり寂しいのもあるんだろうな」
とおっしゃってましたが
検疫所の彼の経験ですが
港で散歩させようとするのを制止しなくてはいけないので
つなぐために首輪とリードを貸したら
それで散歩しようとしたので慌てたとも

犬がタラップより降りた瞬間
密入国・・・犬だから密輸?・・・(笑)

全てのロシア船を管理できないので(担当職員は全国でほんの数人)
結構野放し状態らしいですが

当院にいらしている飼い主さんでロシア人相手の商売をなされている方に
「あいつら普通に散歩させてるよ」
と、驚くべき事実を教えてくれました
・・・・・・


感染犬の潜伏期は長ければ1ヶ月くらいだそうです
ロシア・ウラジオストク近くのナホトカ港ボストーチヌイ港と富山の
直線距離
富山⇆長崎程度
2日もあれば充分でしょう
そこに潜伏期の犬がいて散歩させられてしまったら・・・・・・

当院に来られてた飼い主さんでかつて
「散歩仲間と話してて狂犬病の予防接種なんていらないって話なんだけど?」
とおっしゃられた方が複数いらっしゃいました
私たちは必要な理由を説明するのですが
あまりきつく説明せると嫌がられて来院されなくなる方も


「コンテナ」も多く輸入されておりますが
港で検疫せず移送先で検疫するパターンのコンテナの中に
猫がいたこともあるそうです

小松検疫所の方はこの時は捕獲するのに大変だったと



ここからは

>2:
イヌだけに接種するのはなぜか

にも関係する答えになるかと思います

約60年、日本国内では発生がないですが
最後に狂犬病と確認されたのは
なんと、猫です(1957年)
猫の場合症状が犬のそれと違うと言います
そのままどこかで死亡したのではないかと言われていますが
さて本当のところはどうなんでしょう?


30年ほど前に米国から来日されていたドクターに
「日本は犬にだけ接種すればいいんで楽だね」みたいなことを言われた
ことがあります


ただ、日本国内では犬への接種を徹底させたことにより
狂犬病の清浄国になれたのも事実です

ここが犬にだけ接種している根拠かもしれませんね


清浄国を名乗れている以上
飼い猫に対する狂犬病ワクチン接種が義務化されることはないのでしょう



「狂犬病予防法」(最新改正H11/12/22)によれば

(適応範囲)
第2条・この法律は、次に揚げる動物の狂犬病に限りこれを適応する。
ただし(以下略)
(1)犬
(2)猫その他の動物(()内、略)であって、狂犬病を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるもの


狂犬病ワクチンの能書き(使用説明書)によれば

「効能または効果」犬及び猫の狂犬病の予防
「用法及び用量」犬及び猫の皮下に1mL  を注射する



猫に対する狂犬病ワクチン接種は時にはありうる話です



「狂犬病予防法」の関連に「犬等の輸出入検疫規則」があり
「犬等」
されており日本国内においても
「狂犬病は犬だけのものではない」のは事実です



もし狂犬病が日本国内に入ってきてしまったら?


もちろんその際は未接種の犬や飼い猫も接種対象になるのでしょうが
国内の狂犬病ワクチンの備蓄じゃぁ全く足りないというおそまつさ


「ヒアリが日本に来ること」
「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の流行」
「新型コロナ禍」
誰も予想できていない
狂犬病の日本国内流行が明日あるかもしれない
(いや、あっちゃ困りますが)



さて「副作用」に関してですが
ワクチンには大なり小なりの副作用はつきものです
それは痛みや若干の発熱を含めての話ですが
ここ近年では「子宮頸がんワクチン」の副作用の記憶が新しいでしょうか

「アナフィラキシーショックを起こしそうな個体」に関してですが
見た目はもちろんのこと検査してもわからない異常というものもあります

「わからない」

というのが答えで申し訳有りません

もちろん元々アレルギー体質とわかっている犬への接種は
それなりに対応しております

30年程度の臨床経験の中で
狂犬病予防接種での
アナフィラキシーの経験がありません

かつて「犬フィラリア症」の予防注射というのが(半年に1回接種)
日本国内に輸入され全国的に使用された時
1ヶ月も経たないうちに数十例の副作用が報告されました
それも接種後数分で死亡するという悲惨なケースが多数
それを経験した獣医師たちはどうすることもできなかったと思われます

狂犬病予防接種後で
アナフィラキシーとまではいかないアレルギー症状であれば
ここ数年で2〜3例が県獣医師会管内で報告されてますが
全ての例で治療後回復しているそうです

「病院での接種」ではなく「集合注射」という
地区センターなどに集まってもらっての接種時ばかりらしく
それなりの疲れとかもあったのか
飼い主さんにもわからないなんらかの変化でもあったのか
犬が多く集まり興奮でもしていたのか

なぜ起きたのかということの答えは残念ながらわかりません

狂犬病予防接種に限らず
混合ワクチンにおいても
全国レベルで見れば
数は少ないとはいえ
死亡例の報告も時々あるようです


乱筆乱文かつ
随分と長い返事になってしまい
申し訳有りません
よろしくお願いしま


>>>>>>

てな感じ

やたら長い文章におつきあいいただき
ありがとうございます
<(_ _)>

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